「電力の先物取引市場」 経産省「電力先物市場協議会」がスタートに向けた報告書を公表

経済産業省は、将来の電力を取引する先物市場の創設に向けた対応の方向性をまとめた報告書を公表しました。電力もガソリン等と同様価格が流動的になりそうです。詳細は以下経産省のHPを参照ください。

電力先物市場協議会の報告書を取りまとめました

http://www.meti.go.jp/press/2015/07/20150706002/20150706002.html

報告書のポイント

1.本協議会の設置趣旨
○電力システム改革の具体化に向けて、我が国における電力先物市場の望ましい枠組みについて、諸外国の先行事例も参考にしつつ、検討・協議。本年3月から5回に渡り、実務関係者を集めた本協議会を開催。
○日本再興戦略改訂2014(平成26年6月閣議決定)において、「エネルギー先物市場の整備等の取組を着実かつ早急に進める」としているところ。

2.望まれる電力先物取引の枠組み
○ベースロード、日中ロード(平日8時~18時)の電力を先物市場に上場。ピークロードについては、(当面は上場ではなく)店頭取引の枠組みを活用。
○標準的な取引に集中させて取引量を高める観点から、システムプライス(全国の電力需給に基づいた価格)の電力を上場すべき。地域毎の市場(エリアプライス)は当面上場せず。将来的には、英米等の状況も勘案し、システムプライスとエリアプライスの値差をヘッジする先物取引を検討。
○決済方式は、送電制約を踏まえ、現物受渡しではなく差金決済。最終決済価格は日本卸電力取引所のスポット取引市場の「月間平均価格」にすべき。

3.マネーゲームの防止策
○上場認可に際しては、商品先物取引法に基づいて、電力の安定供給や適正な電力価格の形成に悪影響が及ばないよう、経済産業省が適切に判断(現物取引の厚みを見ながら、国が認可判断)。
○上場後についても、商品取引所において、建玉制限(売買量の制限)、サーキットブレーカー(市場が過熱した際に取引を一時中断)などの仕組みを導入し、現物取引の監視と連携して対応を行うべき。

4.今後について
○本協議会の検討を踏まえ、商品取引所や各事業者において準備を進め、2016年の小売全面自由化後、可及的速やかに電力先物を上場すべき。

5.その他
○電力の現物取引や先物取引を行う事業者の利便性、資金効率性の向上や、業務の効率化を図る観点から、利用者のニーズも踏まえ、清算の効率化に向けた検討を進めるべき。
○電力の先渡市場は、現物調達の場としての機能が期待され、電力価格のリスクヘッジや将来価格の形成といった先物市場の機能とは異なる側面を有するため、当面維持。今後、スポット市場等の取引の厚みが更に増していく際には、改めて先渡市場の位置付けを評価していくことが重要。


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